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レビー小体:白く縁取られた赤い玉のような構造物、神経細胞にみられる |
■レビー小体型認知症とは
レビー(レヴィ)小体とはパーキンソン病の神経細胞にみられる異常構造物ですが、レビー小体型認知症はこのレビー小体がひろく大脳皮質にも多数みられ、認知症で発症する病気です。
■あまり聞きなれない病名ですが
レビー小体型認知症(レヴィ小体型認知症)という病名は10年位まえから言われだした新しい病名です。ただ病名が成立するには1980年頃よりの 小阪憲司先生(横浜市立大前教授)ら日本人の研究者の仕事が端緒でした。レビー小体型認知症は英語名のdementia with Lewy bodiesを略してDLBともよばれます。
■アルツハイマー病とはどう違うのですか
高齢者の認知症でしばしばアルツハイマー病と間違われ易いです。早期から幻視(ないものが見える)やパーキンソン病と同じように動作緩慢、歩行障害といった運動症状がみられれば疑う根拠になります。
■パーキンソン病と似た面もあるのですか
脳にレビー小体がみられたり、症状もパーキンソン病と同じような運動症状もよくみられるので、パーキンソン病とつながった病気とも考えられます。パーキンソン病の1つのタイプといった考え方もできると思います。
■診断はどのようにするのですか
症状が認知症に加えて、幻視やパーキンソン病様の運動症状がでたりすれば疑われます。またはっきりしているときと反応が鈍いときがあるといった特徴もあげられています。 検査としては心臓の心筋シンチグラフィーや脳血流シンチグラフィーというアイソトープをもちいた検査が役に立つという研究がだされています。
■治療はどうするのですか
アルツハイマー病に使われる塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト)が症状の軽減に有効であるとの海外の研究結果があります。ただし日本ではまだ保険での適応になっていません。
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